このページは、平成21年9月6日から10月3日に実施された「がんりゅう」の鹿児島沖流木回収への派遣の活動
記録をお伝えするものです。 各日の活動の詳細や状況写真は、カレンダー上のリンク先に記録しています。
西方沖の南北120kmの黒潮海域帯にて、漂流する大量の流木を発見しました。 流木が北上して鹿児島県
沿岸域に達すると、船舶航行に危険な障害物となります。 平成18年には鹿児島と種子島、屋久島を結ぶ高
速船が流木と衝突し、多数の負傷者を出したのは記憶に新しいところです。 十管は航空機による流木位置
の調査及び巡視船による流木の回収を行う一方、 9月5日、鹿児島県とともに、 国土交通省九州地方整備局
に対し、関門航路事務所所属の清掃兼油回収船「がんりゅう」を流木回収のため鹿児島県へ派遣するよう要
請しました。 「がんりゅう」の多関節クレーン、スキッパー等の装備は浮遊ゴミを水面から回収するためのもの
ですが、これは流木回収にも使えることから、 平成18年には長崎の平戸、壱岐の流木回収に派遣された実績
があります。 ただし、「がんりゅう」は関門航路付近の瀬戸内海側の静穏海面での航行・作業向けに設計され、
外洋域の航行及び作業は想定されていません。 今回は基地である北九州港を遠く離れ、 しかも時期的に台風
の影響等も予想される外洋域での作業となりますが、地域社会への影響を踏まえ、緊急に派遣することを決定し
9月5日の派遣要請は派遣期間概ね1週間を見込んでいましたが、10日には鹿児島と種子島、屋久島を結ぶ
高速船が運航を停止し、流木もまだ相当数が残存していることから、17日に概ね10日間の派遣延長が要請さ
れました。 9月末にはこの再要請も期限を迎えます。 シルバーウィーク前半の20日には高速船が条件付きで
運航を再開し、9月末現在もほぼ平常に近い運航が続いており、また流木の発見、回収数が相当減少してきた
ことから、要請が期限を迎える9月30日で「がんりゅう」は回収作業を終了し、10月3日に基地である北九州港
に帰港しました。
「がんりゅう」の作業を支援いただいた十管、鹿児島県、関係市町村、建設会社、漁協及び漁民の皆様にお礼
を申し上げますとともに、今後も当該海域で安全な船舶航行が確保されますよう、また回収作業が安全でありま
すように、心から祈念いたします。 活動状況カレンダーへ
9月3日 十管が大隅群島及びトカラ群島西方沖に多量の流木を発見
9月5日 十管及び県が九州地方整備局に「がんりゅう」派遣を要請
9月6日 「がんりゅう」に担務区域外への出動が命令され、北九州港を出港
9月9日 現場海域に到着、枕崎漁港を作業基地に回収活動を開始
9月14日 作業基地を西之表港に移動、作業を継続
9月17日 台風14号接近のため鹿児島港に待避
9月21日 再び西之表港に移動、作業再開
9月30日 回収作業後、枕崎漁港に入港し、全作業終了
10月3日 「がんりゅう」北九州港に帰港